冷やし中華とか、始められました。 一品目

category: 大流舞亭  

最近、雨の中野球をやりました。三時間ぶっつづけで。奇跡的に風邪はひかなかったけれど、筋肉痛に。

「翌日に筋肉痛になるのはまだ若い証拠だよ」と自分に言い聞かせながら、痛みがとれたのは三日後でした。遅い。

今回の話は前回があまりにも暗すぎたので、馬鹿で明るい雰囲気を心がけました。

ちょっと長いので4~5つに分けて書きます。


あと余談ですが、私は百合もBLも理解があります。ぶっちゃけ、嫌いじゃないです。

気が早いけれど、次はそのどっちかを書きたいですねー。ガチはまずいので、あくまでソフトなものを。
 





タイトル:冷やし中華とか、始められました。


ここ数日前から、蒸し返すような暑さが続いていた。太陽の光がアスファルトの道路を跳ねかえって容赦なく

ぶつかってくる。制服の下はもう汗で濡れすぎて気持ちが悪い。もう夕方近くだっていうのに、なんだ、この

気温は。こう暑いと、些細な事でもイライラしてしまう。きっと、お客さん少ないだろうなあ。ただでさえこんなに

暑いのに、誰が好き好んで熱いラーメンなんて食べにくるんだろう。お客さんが少ないと楽だけど、かといっ

てあんまり暇だと、やることなくて逆に疲れちゃうんだよなあ……

大将、いいかげん扇風機じゃなくて店にクーラーつけてくれないかなあ。だったらお客さんも――あれ、店の

扉に張り紙? おかしいな。今日は定休日じゃないはず……ん?

冷やし中華、始めました……?

ちょっと待て。おい、あのハゲ。

「何ですかこれは!?」

「いやっ、なにぃ!?」

「なにぃ、じゃないですよ! この張り紙は何ですか!?」

「コウジちゃん落ち着いて。店の扉壊れちゃうわ」

「落ち着いていられますか!」

この木偶の坊、何平然としてるんだよ!

「ほら、最近暑いでしょう? だから冷やし中華始めたらいいかな、って」

「誰が作るんですか!?」

「そりゃ、も・ち・ろ・んコウジちゃんよ。だってワタシ、ラーメンしか作れないもの」

くねくねごつい体くねらすんじゃねえ! だいたいラーメン屋がラーメンしか作れないってどういうことだ

よ!? ハゲでごつくてオカマなのは百歩譲ってもそれはおかしいだろうが!

「ほんとうにコウジちゃんがバイトしてくれて助かるわあ。うちの店、コウジちゃんで持ってるようなものよぉ」

「俺、冷やし中華作れませんよ」

「え」

「作れません」

チャーハンとかなら作れるけど、冷やし中華なんて家でも滅多に食べないから作ったことない。店の従業

員、大将と俺の二人しかいないし、誰も作れる人いないぞ。

「そんなぁ~レシピ見て作れない?」

「それこそ大将がレシピ見て作ってくださいよ。俺が店辞めたらどうするつもりですか。俺だってもう二年だか

ら、来年大学受験なんですよ?」

「就職したらいいじゃない。ウチに」

「ふざけんな」

「じゃあ閉店ね」

「そこは頑張ってくださいよ……」

俺がバイトに来るまで、よくこの店もったな……

「ねえお願い、店のためなの。」

「なら時給上げてください」

「閉店ね……」

「分かりましたよ! 作ればいいんでしょう!?」

「あん、だからコウジちゃん大好き!」

 おっさんの投げキッスなんて嬉しくねえ……

「で、材料はあるんですか? 無いなら急いで買ってきますけど」

「ああ、それは大丈夫」

「材料あるんですか」

「新しい子が買いに行ってくれてるから」

「ああ、そうなんですか――」

待て。この珍獣、今なんて言った? 新しい子?

「昨日コウジちゃんが帰った後なんだけど、急にここでバイトしたいって……」

「早く言え!」

冷やし中華始めてる場合じゃないだろうが!

「言おうと思ったけど、コウジちゃん怒ってたから言うタイミングなかったんだもん」

「まったく……新しい人ってどんな人ですか?」

「男の子よ。とっても可愛いの!」

「可愛い……男?」

健康のためなら死んでも良い、くらいの矛盾を感じる。なんだ、可愛い男って。そもそもバイトできるくらいだ

から、それなりの年齢だろう――

「ただいま帰りました」

「あら~! お帰りなさい!」

お、こいつが新しい――

「あ、コウジさ」

「大将、ついに手を出しましたね……!」

「ち、ちょっとコウジちゃん、何怖い顔してんのよ!?」

「うるさい! 小学生働かせるなんて法的にも倫理的にもアウトですよ!」

男なら何でもいいのかこのショタコン! こんな小さな子をどう言いくるめたのか知らないけど、ついに越えて

はいけない一線越えやがったな!!

「落ち着いて、この子コウジちゃんと同い年よ」

「同い年だからってこんな無垢な顔した――同い年?」

「しかも、確か同じ学校よ。そうよね、アキラくん?」

「はい、でも転校してきたばかりだし、学年が一つ下だし、きっと知らないと思います……」

転校してきた……そういえば、妹のカオリが可愛い子が転校してきた、って言ってたような気がする。その可

愛い子って、もしかしてこいつか。

「妹から噂は聞いたことがある。アキラだったか、なんでよりにもよってここでバイトしようと思ったんだ?」

「えと、たまたまバイトを募集してるって聞いたから」

「たまたま? 大将から聞いたのか?」

「昨日コウジちゃんが帰ったあと、イイ男いないかなーって思いながら店の軒先で物色――掃除してたのよ」

「今アキラに聞いてるんで。それと大将、いつか警察に連れてかれますよ?」

いまいち客足が伸びないのはやっぱりコイツのせいか。筋骨隆々のいかついおっさんが目を爛々と光らせて

舌なめずりしている光景なんて、いつ逮捕されてもおかしくねえぞ。

「まあまあ、聞いてちょうだい。そしたら急に、可愛い顔したアキラくんが現れて、バイト募集してないかって」

「僕、こんな外見だから、どこもなかなか雇ってもらえなくて」

「こんな変態がいるところで良かったのか?」

「せっかく雇ってもらえるところ見つけたから……」

うーん、そこまでして、どうしてバイトしたいんだろう。俺はもう同情からだが、理由を聞いてもいいものだろう

か。少しやんわり聞いてみるか……。

「何か欲しいものがあるとか?」

「あ、その……」

「すまん、別に言いたくなかったらいいんだ」

ああ、聞くべきじゃなかったかな。人には色んな事情があるしなあ……

「す、好きな人が、いて……」

「きゃあ! どんな男の子!?」

「大将、あんたと一緒にしないでください」

しかし、そうか、好きな娘のためにバイトか。プレゼントでもするつもりなのかな。

「上手くいくといいな、その娘と」

「――! は、はい!!」

……可愛い――はっ!? ち、違う! 笑顔が思いのほか可愛かったなんて、そんなこと思ってないぞ!! 

俺はそっち側じゃ――

「ようこそ、コウジちゃん」

「うるせえ!!」


つづく
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2013_06_05

Comments

 

店長が…すごく…ホモです。
こういう話は何も考えずに読めるのが良いですね。

少しだけ気になったのは、情景描写の少なさです。
後半の会話が連なっている当たりに、少し情景描写が入るとアクセントになって、より読みやすくなるような気がします。
 URL   2013-06-07 16:43  

 

アドバイスありがとうございます。

もう少し情景描写を入れることができるように努めます。

あと、オカマとホモとゲイの違いってどこなんでしょうね。
大流舞亭  URL   2013-06-08 17:49  

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