海老銃夏のお題「雪だるま」

帰り道の上で白雲を夕暮れの陽が金色で縁取って
高く透き通る青の中に心溶けていく
家に着けば今日も雪だるまが門の前に居て
冬の終わりに作ったあの時の笑顔のまま
どんなに温かくなっても暑くなっても
鈍く冷たく白さを忘れずにいて
私の帰りを待ってくれている
何度もう溶けて消えてもいいと言い聞かせても
いなくならないでの本心だけを聴いて
固められた雪を解かずにいる

雪なんて降ったことを知らないような青いだけの空
あの日の青に攫われた子を中に入れているから
溶けずに残しているのでしょう
彼岸に全てを取られないように隠すのに
冷たい冷たい雪で包んでしまった
雪だるまに私は時々泣くけれど
もうそれがあの子ではないことぐらい知っている
それでも今日も明日も雪だるまにただいまを言って
優しくやわらかく撫でてやる
忘れていない事の証明を何度も何度も
宇宙までも透けそうな青へ
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テーマ : 自作詩    ジャンル : 小説・文学
2012_08_19


タイムアタック
お題:公園、スルメ


使い込まれたような飴色のテーブル
透明で芳醇な甘い香りに酔う
すべてまどろんで意識に溶ける
窓の外遠くに浮かぶ公園の街灯
日が落ちてどれだけ時間が経っても
蝉達が鳴きやまない

夜風に惹かれて部屋から出れば
月が呼んでいた
いつか見た誰かの横顔みたいだ
その人は、自分を引き上げてくれた
何年か経てば忘れてしまったことだけど

呼びかけには答えられない
行かなければ生かされなければ
どの口から出たのかも忘れる
胡散臭い呪文みたいな言葉が
今も自分を生かしている

手繰り寄せていた糸が切れて
今日もたどれない、たどり着けない
温かい場所は目指せば目指すほど
距離ばかり思い知らされる

体の熱がひかないまま芯に残る
手首をつかみ損ねて逃がした
しろい耳朶に噛みつきたかったのに
代わりに肴に食らいつく
格好がつかないのはいつものこと
一息に飲みこんだ甘さのせいでまた熱い

背中をさすった温かい手も
笑いながら歩いた時間も
絡めた小さな指も
すべて揺蕩う熱い熱い
口の中で言葉が溶けた


テーマ : 自作詩    ジャンル : 小説・文学
2011_05_24


遅ればせながら、タイムアタックの時間外作品です。
短編小説。

お題→三分間クッキング、海老天、クルシミマス

誤字脱字等々、ご指摘いただければ嬉しいです。

↓からどうぞ


テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
2010_11_13


はじめまして、椅子上の猫背といいます。
長いです、椅子猫とか略します。

↓一時間タイムアタックのSS
「恋愛もの」「甘いもの(シュークリーム)」「ポリ袋」
甘いというより、甘じょっぱくなりました。ほのぼのです。
テーマ : 自作小説    ジャンル : 小説・文学
2010_07_13


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