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危険なお城 
3章



顔に吹きつく冷たい風、それは軽い湿度を伴って僕の前髪は濡れていく。手慣れた感触が僕の手の中にある。僕たちは箒に乗っている。そして見慣れた視界も同じように。僕たちは落ちている。落ち続けている。怖いという感情はない。カッコつけているわけではない。もう慣れたのだ。
僕らは今、落ちている。どこから? 山の頂上からだ。僕たちが住んでいるところは山の頂上である。「人に見下ろされたくない。むしろ見下ろしたい!」というのがコリント先生の言い分だ。だから買い物や人と会うためだけに下山をしなければならない。ここで問題が一つ。僕は箒に乗れない。高所恐怖症と言うわけではない。箒に乗れないだけだ。だから僕1人で下山したら往復で半日かかる。ハルと一緒なら二時間もかからない。
「梅雨明けだから濡れるな!」
「うん、霧が凄い!」
ハルの後ろで椅子に座るように腰掛けた状態の僕はもうかなりびしょ濡れだ。あと五分くらいで町の付近の森に降りられる。
さあ、買い出しだ!
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テーマ : 自作連載小説    ジャンル : 小説・文学
2009_12_13


危険なお城 
二章


梅雨の季節が終わった。雲と雲の間から日が差し込んで、今日の新しい空気が昨日までじめじめしていた空気を吹き飛ばしてくれた。以前の僕ならそういう些細なことにも気付けずにいただろう。まだまだ登り続ける太陽を片手で塞ぎつつ見て、湿気ていた空気から気持ちの良い風に変わっていても、なんの感慨も受けないに違いない。こんな些細な事に気づけるようになっただけでも自分は成長したんだな、と菜園に張っていた簡易テントを取り外しながらそう思った。
2009_11_29


危険なお城 
一章



 4年前に「すぐに大きくなるよ」とお店の人に言われて買ったクリーム色のローブに腕を通す。まだ裾に余裕があるのが少し悲しかった。僕の身長よりももっと大きい姿見まで駆け寄って自分の顔を見た。鏡の中では黒い髪に黒い目の少年が不気味に笑っていた。僕はもともと人に笑顔を振りまくような子供じゃない。
テーマ : 自作連載小説    ジャンル : 小説・文学
2009_11_07


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